息子よ

—これは本日発行のメルマガと同じ記事なのでメルマガを受信してださっている方には重複となりますことをお許し下さい。—

 

息子よ、元気でいるの?

仕事は見つかった?

彼女とは仲良くやってる?

きちんと食べてるの?

音楽を捨てないでね。

 

いつも私が気にかけていることはこんなことかな?

順不同だけれど、たいてい心に引っかかっているのは以上のこと。

3月の初旬にアムステルダムに向かった時、約2年前の前回とはちょっと雰囲気が違っていた。

前回はあくまでもチャレンジ、いつでも白旗をあげられるし大手を振って帰ってこられた。

今回は2度めということもあるけれど、やっぱり父親とはうまくいかないという下地を再確認した上での出発。

つまり今回は何かあっても帰りづらいのだろうと思う。

もしかしたら現代っ子の息子は私のようには思っていないかもしれないけれど、

外見はしっかり父親譲りのイタリア人でも内面は胃袋を始め私によく似た子だから。

 

アムステルダムは素敵な街。

私もすぐにでも行って住みたいくらい。

でも、太陽が少ないので少しさみしい街。

イタリアの太陽に慣れて育った息子にはその辺りが一番堪えているようで・・・

でも、こればかりはどうにも手助けのしようのないこと。

 

正義感に燃えて最後の仕事をけってからは余りこれという定職が見つからず、

広場で歌っては日銭を稼いでいた息子。

それでもいいと私は思っているけれど、やはりつらいものがあるらしい。

最近になってやっとレストランに勤めだし、

(闇というか無届の仕事ならいつでも見つかるのだけれど、息子はその辺りが誰に似たのか正式に雇ってくれないところでは働かないのでなかなか就職できなかった。)

明るい声で電話をくれた。

でも、その電話、スマホが壊れたらしい。

スマホがあるとWhatsAppというアプリで、無料でチャットができるのでお互い安心していたのだけれど、

ここ数ヶ月はそのチャットも出来ず寂しい思いで暮らしていた。

一昨日、Paoloが「ついにWhatsAppがPCでも使えるようになったよ」というので早速私のPCにも取り込んだ。

そのことを息子に伝えようと今しがた電話したら息子も大喜び。

 

そして・・・

 

これから録音に行くという。

自分たちの曲を録音するために何処かのスタジオに向かっているらしい。

しかも・・・

録音を終えたらどこかのラジオ番組に出るとのこと。

きっとちっぽけなちっぽけな地方のラジオ局なのだろうけれど、

苦しい生活の中、息子が音楽を捨てないでいてくれたことが嬉しい。

なにもプロになって音楽で食べていけと言っているわけではない。

ただ、生活の環境がすっかり変わった中で、

せめて音楽はこれまでと同じように続けてほしいと思っているだけ。

音楽を続けることは自分自身を保ち続けることだと思うから。

親に似て世渡りの下手な息子。

 

すでに地元ではそこそこ有名なグループへの参加の誘いもあったというのに、自分にはレベルが高過ぎると断った息子。

時にはすこし背伸びをしてみるものだよと言ったけれど、正直でありたい息子を叱ることはできない。

今回はイタリア人の友人たちとのグループ。

きっと気晴らしにはちょうどいいのかもしれない。

嬉しそうな声が聞けて涙がどっと溢れてしまった。

いつの頃からか涙は嬉しい時に出るもので悲しい時には余り出なくなってしまった。(笑)